第6章 検査
6-1 基本事項
- (1)溶接継手部の検査は外観検査(自主検査)と受入れ検査とする。
- (2)外観検査は全数検査として外観検査員が行う。
- (3)受け入れ検査は超音波探傷検査又は引張試験とする。
- (4)超音波探傷試験、引張試験は、第3者機関で行う。
- (5)1検査ロットの決め方としては施工日、施工班、姿勢、鋼種ごとを基本とし、最大300箇所程度とする。
- (6)外観検査員は試験結果を記録し、施工管理責任者に報告する。
6-2 外観検査
1.検査項目及び判定基準
外観検査は全数検査とし、検査項目、検査方法及び判定基準を以下表に示す。
2.外観検査不良部の処置
- 1)継手部に欠陥がある場合は上記表に従い、手直しを行う。2)継手部の切断については現場係員の承認を得てから行う。
3.外観見本と処置例
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1)良好な外観(梁)
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2)不良な外観(梁)と処置例
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3)良好な外観(柱)
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4)不良な外観(柱)と処置例
6-3 受け入れ検査
受け入れ検査は超音波探傷検査又は引張試験とし、標準的な各検査方法を下記に示す。
1.超音波探傷検査法 JIS Z 3062
- (1)検査方法及び数量
超音波探傷検査方法は JIS Z 3062(鉄筋コンクリート用異形棒鋼ガス圧接部の超音波探傷試験方法及び判定基準)によるものとする。特に検査数量の指示が無い場合は1検査ロットに対する抜き取り検査数量は最大 30 箇所もしくは、30%とする。 - (2)判定基準
継手の合否判定基準は合否判定レベルの -20db未満とし、これ以上のエコーが検出された場合は不合格とする。 - (3)不合格継ぎ手部の処置
1箇所未満の不合格継ぎ手は切断再溶接を行い再検査し問題が無ければロット合格とする。なお、2箇所以上が不合格の場合はロット不合格として全数超音波探傷検査を行い、検出された不合格箇所は全て切断再溶接を行い、再検査を行なうものとする。
※JIS Z 3063(鉄筋コンクリート用異形棒鋼溶接部の超音波探傷試験方法及び判定基準)の検査基準については、裏当て材のない場合の規定になっているため当協会では従来よりある JIS Z 3062 を適用するものとする。
2.引張試験検査法 JIS Z 2241
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(1)試験方法及び数量
試験方法としては JIS Z 2241(金属材料の引張り試験方法)によるものとし、1検査ロットに対する抜き取り数量は基本、最大径の3本とする。 -
(2)判定基準
引張試験の判定基準を表 19 に示し、すべての試験片が基準を満足した場合、合格とする。なお、当工法では熱影響部も母材とみなす表 19 引張試験の判定基準
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(3)不合格時の処置
- 1)試験片3本のうち1本が不合格の場合は同数の再試験を行い、すべての試験片が表19の合格基準を満足すればロット合格とする。
- 2)試験片のうち2本以上不合格の場合と再試験で1本でも不合格の場合はロット不合格として全数超音波探傷検査を行い、検出された不合格箇所は全て切断再溶接を行い、再度、超音波探傷検査を行う。また、不合格の発生原因を調査し、再発防止の為の必要な処置を講じて監理者、工事担当係員に報告し、承認を得る。
6-4 検査フローチャート
6-5 自主管理表